味わったことのない肉の旨味と濃さの八崎牛
八崎牛をお取り扱いいただいているレストラン・飲食店のシェフと八崎の対談記事をお送りいたします。八崎牛を選んでいただいた理由、シェフの想いや考えを伺いました。
シェフから各ご家庭での食べ方のアドバイスもあるので、ぜひ参考にしてください。
ミシュラン4年連続一つ星 大久保 晋シェフの新店Feu
大阪市北区梅田・北新地の「Feu」は2022年8月にオープンした1日8名限定の完全予約制のお店です。
オーナーシェフの大久保さんは、フランス料理界の巨匠アランデュカスと厨房のピカソと言われるピエールガニェールの下で学び、インターコンチネンタルホテル大阪のレストランPierreの料理長として2016年からミシュラン1つ星を獲得しています。また2020年にはフランスの美食ガイド「ゴ・エ・ミヨ」に掲載された実績をお持ちです。
「Feu」では国内をはじめ世界各国から届けられた最高峰の食材を、独自の世界観で表現されています。

今まで味わったことがない「肉の旨味と濃さ」
大久保:私が八崎牛を料理に使わせていただくようになったのは、京都のホテルのフレンチレストランで総料理長を勤めていたときからです。
個人的嗜好で霜降り肉よりも赤身肉を求めていました。サシがたっぷり入った脂の旨味ではなく、肉の旨味をお客様に提供したかったのです。
そんな中で黒毛和牛を放牧で育てた赤身肉の八崎牛を知ったんです。
そこでぜひ取り扱わせていただきたい、と連絡しました。
八崎:ありがとうございます。
黒毛和牛を放牧で育てている牧場は国内にいくつか存在します。その中でウチのお肉を選んでいただいた理由は何だったんでしょうか。
大久保:八崎牛を仕入れる以前から国内の赤身肉ブランドを使っていました。
ただ、八崎牛を一口食べたときに今までに味わったことがない「旨味」を感じました。
細かな説明は不要なほどに、本当に分かりやすいほどに肉の味が濃かったのです。
独自の技術と数十通りの検証をしたドライエイジングビーフ
大久保:八崎さんはご自身でお肉を熟成していて、カビを使わない特殊なドライエイジングを採用されているのもポイントです。
通常、熟成肉はカビが生えた部分をトリミングする必要があります。八崎牛はその必要がなく、そのまま調理できるのが良かったですね。
八崎:ウチは特殊な熟成庫でドライエイジングを行っていて、カビを付着させていないので独特のナッツ臭がありません。
そもそも通常のドライエイジングでカビを付着させる方法でお客様に提供するのは安全面から抵抗がありました。一方ウェットエイジングでは安定した品質で熟成するのが困難でした。
熟成方法はかなり独自に勉強しましたよ。とにかく美味しいお肉をつくるために、熟成の日数や熟成庫内の風量、肉の置き位置まで数十通りのパターンを検証しました。
コース料理の最後でもスッキリ食べられる
八崎:お客様からの反応はいかがですか。
大久保:以前は霜降り肉をお求めになるお客様もいたのですが、実際に赤身肉を食べていただくと、コース料理の最後でもスッキリと食べられる、という声をいただいています。
お客様に提供するときには、放牧で飼育された黒毛和牛であることをお伝えしていますよ。

▲コースで提供される八崎牛のステーキ
八崎:放牧で飼育することで牛は適度な運動ができ、余計な脂がなくなり引き締まった肉が出来上がります。
黒毛和牛は通常は霜降り肉にするために、牛舎の中で飼育するので、お客様にとっては変わった飼育方法に聞こえるかもしれませんね。
赤身を主体にしながらも、黒毛和牛の脂をわずかに感じる絶妙なバランスが八崎牛の特徴です。
大久保:当店では、お肉は炭火でゆっくりと火入れをして提供しています。そこにオーソドックスなポルト酒、マデラ酒の赤ワインベースで作ったソースを掛けています。
夏は旬のオクラを添えたりして提供しています。
経産牛にネガティブなイメージがある人にこそ食べてもらいたい
八崎:私はとにかく自分が美味しいと思う肉を追い求めてきました。
その結果、黒毛和牛の経産牛を放牧で再肥育する飼育方法に辿り着きました。
大久保:一般の方の中には経産牛と聞くと「固い肉」のイメージをもつ方もいるかもしれません。ただ料理人の間ではそういったイメージを持つ人は少ないですね。牛の種類や肥育方法で異なるので一概に固い肉とは言えないからです。
私は経産牛か否かはあまり意識していなくて、シンプルに「美味しいお肉かどうか」で選んでいます。
八崎:私も同意見です。
自分にとって美味しい肉をつくれているかどうか、それが全てです。
経産牛に対してネガティブなイメージを持っている方がいれば、ぜひ八崎牛を食べていただき、イメージを覆せたらと思っています。
家庭でもレストランの味を再現する方法
大久保:家庭で食べるならお薦めの部位はやはりヒレ、サーロインです。
真空調理※1でゆっくりと加熱して、最後にフライパンで焼き色をつけていただくと、それだけでレストランの味になると思いますよ笑
八崎:家庭で召し上がっていただきやすくするためには、食べやすいサイズのポーションで提供することも考えた方がいいかもしれませんね。
ぜひ今度、レストランに食べにお伺いいたしますのでもっとお話を聞かせてください。
※1真空調理:下ごしらえを済ませた食材を専用のフィルムや袋に入れ、低温で加熱する調理法のこと。ポリ袋や密閉できるフリーザーバッグがあればご家庭でも調理可能。
Feu
住所 大阪府大阪市北区曾根崎新地1-7-4 YAMANA K2ビル 2F
アクセス JR東西線「北新地駅」より徒歩5分
営業時間 第一部 18時~、第二部 20時45分~
定休日 日曜日、祝日(年末年始含む)
https://kitashinchi-feu.com/