自然派赤ワインと食べたい噛み締める美味しさ
八崎牛をお取り扱いいただいているレストラン・飲食店のシェフと八崎の対談記事をお送りいたします。八崎牛を選んでいただいた理由、シェフの想いや考えを伺いました。
シェフから各ご家庭での食べ方のアドバイスもあるので、ぜひ参考にしてください。
ミシュラン奈良掲載の予約制レストランKOHYAMA
奈良県大和高田市で幸山夫妻が営む隠れ家的なお店「KOHYAMA」。完全予約制のレストランです。ご夫婦でソムリエ、シェフを担い、コース料理にワインと日本酒を合わせるペアリングがマリアージュを生むステキなお店です。
今回はソムリエでもある幸山紫穂シェフにお話をお伺いしました。

放牧、グラスフェッドの国産黒毛和牛に興味があった
幸山:私たちのお店がある奈良県大和高田市はかなりお肉にこだわりがある、舌が肥えたお客様が多いんです。奈良県にはブランド牛もありますし、霜降り肉に食べ慣れている方が多いんですね。
私たちのお店でどんなお肉を提供したらお客様が喜んでくれるか検討したときに、霜降り肉のステーキを提供するのは普通で面白味に欠けるよね、となったんです。
そこでグラスフェッド(牧草飼育)のお肉に注目しました。グラスフェッドは霜降り肉と比べて牛本来の美味しさがありますし、世の中の健康志向に合致するとも思いました。
放牧でグラスフェッドで国産黒毛和牛となるとなかなか見ないお肉だったので。
赤ワインとのマリアージュに最適な噛み締める美味しさ
▲コースで提供される「牧草牛サーロイン」
八崎:お客様からの反応はいかがでしょうか。コース料理でサシの入っていないお肉が出てくるとどんな反応があるのか興味があります。
幸山:お客様からの反応はとても良いですよ。きちんと熟成されていて美味しいと。
私も八崎牛はジビエに近い存在だと思いました。脂がこってりしておらずあっさりで、噛み締める美味しさです。当店のこだわりのワインと合わせていただくのに最適なんです。
八崎牛は肉本来の旨味、言うなれば鉄分みたいなものを感じますね。様々なお肉を食べ歩いてきた人には分かる美味しさだと思います。
多くの場合は、霜降りのお肉の脂の部分を食べて美味しいと感じているんです。ただ八崎牛は赤身のお肉の部分が美味しいんですね。
脂や柔らかいイメージの霜降り肉とは異なる、噛み締める美味しさ、弾力のある歯ごたえがあります。
大和高田市の郷土料理で馬肉を燻製させた「さいぼし」という料理があるんですが、それに似ているね、という声もあります。
八崎:それを聞いて安心しました。
幸山:料理を提供するときはグラスフェッドであることや、八崎さんの牧場のインスタグラムの話をしています。牧場で伸び伸びと育っている牛たちの名前を呼ぶと、反応して寄ってくる動画があってステキなんです。

自然に育てているからこそ、肉質にバラつきがある
八崎:自然の中で放牧し、なるべく人間が手を掛けない育て方をしています。
ただ、単に牛を野に放てばいいという訳ではないんです。
ウチは経産牛という仔牛を産んだことのある母牛を購入して放牧しています。8、9年間牛舎の中で配合飼料で飼育された牛なので、急に放牧しても自由に歩けなかったり、そこに生えている牧草を餌と判断できなかったりします。
徐々に他の牛と慣らしたり、短くカットしていない牧草を食べさせてあげて餌だと覚えさせたりする必要があるんです。
幸山:牛は本来は放牧で生活する生き物だと思うんですが、長い間牛舎に入っているとそうなってしまうんですね。
八崎:放牧だと動き回る牛もいればあまり動かない牛もいます。そうすると肉質にバラつきが出てくるんです。ただバラつきがあるのが自然なことだと思っています。
あとは加工の段階で人間がどう美味しくしてあげるかだと思って熟成技術などを学んでいます。
幸山:どのくらいの期間をグラスフェッドで育てているんですか?
八崎:約3~8ヶ月です。
それよりも長い期間グラスフェッドにすると、黒毛和牛の良さが消えてしまうんです。
3~8ヶ月であれば黒毛和牛のサシが少し残っていて、赤身肉とのバランスが丁度良いんです。
仔牛のころから牧草で育てないとグラスフェッドとは言えないのではないか、とご指摘いただくこともあるのですが、実際はそうした規定はないそうです。
それよりも私はただただ美味しいと思える肉を追及するだけです。
幸山:まさに黒毛和牛とグラスフェッドの良いところを取った感じですね。
お客様には料理として提供していないのですが、八崎牛の切り落とした脂身やジャーキーの部分を自宅でワインのあてにしたり、チャーハンの具にしたりしています。
ビーフジャーキーみたいですごく美味しいんです。
自然派赤ワインとの相性が抜群
幸山:家庭で召し上がっていただく場合は、きちんと常温に戻すことが重要です。そして家庭のオーブンでじっくりと焼くのが良いと思います。
ただ、お肉の味がしっかりしているので、2センチサイズのサイコロ状に切ってフライパンで焼くだけでも十分美味しいと思います。
スキレットで焼いてそのまま提供するのもサマになると思います。
あとはとにかく赤ワインが合います。オーガニックな自然派ワイン(ナチュールワイン)だと、グラスフェッドで育てた八崎牛との相性も良いのではないでしょうか。
八崎:ありがとうございます。
ぜひ今度、レストランに食事にお伺いいたしますのでもっとお話を聞かせてください。
KOHYAMA
住所 奈良県大和高田市磯野南町2-1 OSビル1階
営業時間 【ランチ】12:00start〜14:30close
【ディナー】17:00〜23:00close
定休日 前日までの完全予約制
https://www.kohyama2021.com/