熟成肉でダイエットするなら。ヘルシーな理由や美容効果を解説
美味しく食べながらダイエットしたい方必見!
柔らかくて濃厚な旨みが人気の「熟成肉」は、実はダイエットにおすすめ食材なんです。
今回は「熟成肉」について、以下のポイントを徹底解説しています。
- 熟成肉のダイエット効果や美容効果
- 熟成肉の美味しさの秘密
- 熟成のメカニズム
熟成肉が好きな方・ダイエットをお考えの方には、ぜひ最後まで読んでくださいね。
熟成肉の正体は赤身肉
熟成肉に使われているのは「赤身肉」です。
そもそも「赤身肉」はどの部位のことを指すのか、熟成肉に赤身肉を使う理由を詳しく解説していきます。
赤身肉ってどの部位?
一般的に赤身肉は、脂身が少ない部位の肉のことを指します。
赤身肉の中で代表的な部位をご紹介します。
【肩】
赤身肉の中でも、やや硬めの肉肉しい食感が特徴的な部位です。
ほどよい脂が乗っていて旨みが強く、ステーキや焼き肉などで親しまれています。
カロリーは高めですが、栄養豊富で高たんぱく質なのでダイエット中の方にもおすすめですよ。
【ヒレ】
赤身肉の中で最も柔らかい部位で、「お肉の女王」とも呼ばれています。
背骨の腰に沿うようにある棒状のブロック肉で、背骨の両側にしかないため、1頭から3%程度しか取れない希少部位。
脂身が少ないきめ細かな肉質で柔らかく、肉本来の旨み・甘みをあじわえるのが特徴です。
ステーキをはじめ、ローストビーフやヒレカツなどで食べられています。
【モモ】
「THE・赤身肉」といわれるほど定番なのが、モモ肉。
牛肉の中でも最も脂身が少なめで赤身でも比較的柔らかいため、脂を避けて赤身肉を食べたい方におすすめの部位です。
薄切りであれば、すき焼きやしゃぶしゃぶに。 厚切りであれば、カレーや煮込み料理に最適です。
【ランプ】
モモより柔らかく旨みが強いのが、ランプ肉です。
味が濃く比較的ヘルシーなため人気ですが、1頭から摂れる量はわずかで希少部位となっています。
カロリーが控えめで鉄分豊富なうえに味もおいしいので、ダイエット中や筋トレ中の選択肢としてもおすすめ。
ステーキや焼肉で食べられるのが一般的です。
熟成肉の起源
「熟成肉」は、生肉を一定の期間、低温で寝かせて熟成させた肉のことをいいます。
熟成によって肉の旨みが凝縮して柔らかくなることが注目を浴び、調理技法としての「熟成」が研究されるようになりました。
もともとは、冷蔵冷凍手段がなかった時代に肉を干して保存したことが始まりとされています。
赤身肉が使われている理由
熟成肉に赤身肉が使われる理由は、ずばり豊富な水分量です。
赤身肉には脂身が少なく水分が多く含まれていることに加え、熟成肉を作る上で欠かせないのがタンパク質をアミノ酸に変える「微生物」です。
肉の「水分」と「微生物」の関係について、詳しく解説している記事がありますので紹介します。
熟成が進むにつれ牛肉中から放出される水分量が減って行き、表面がしっかり乾ききってしまうためその水分を必要としていた微生物たちが自然と死滅していきます。
これが熟成期間の一つの目安です。
ロースの水分含有量が70%と多いホルスタインには向いていますが、水分含有量が40%以下のロースでは、 脂肪交雑が複雑で牛肉中の水分の移動が少ない事から向いていないとされ、さらには多価不飽和脂肪酸の含有量が多い牛肉には、 強い風により酸化を促し、著しく風味を落としてしまいせっかくのお肉を台無しにしてしまいかねません。
出典:肉匠 さの萬HP
赤身の「もも肉」と、脂身が多い「バラ肉」の水分量・脂質量は以下の通りです。
- もも肉(100g)
水分:67.0g/脂質:10.7g - バラ肉(100g)
水分:51.8g/脂質:32.9g
熟成肉がダイエットに向いている理由
熟成肉は赤身肉から作られているのでダイエットに適した食材です。
赤身肉に含まれている、ダイエットに効果的な3つの栄養素を紹介します。
栄養素①高たんぱく
赤身肉は高たんぱく質な食材で、牛バラ肉と比べると約1.5倍ものたんぱく質が含まれています。
たんぱく質は筋肉や内臓を作るための栄養素で、免疫力を維持させ健康的な体を保つために必要な栄養素です。
たんぱく質が多く含まれている赤身肉を摂取することで、筋肉がつき、太りにくく痩せやすい体を作ることができます。
栄養素②L-カルニチン
赤身肉に含まれるL-カルニチンは、脂肪をエネルギーに変えるときに手助けをしてくれる役割をします。
L-カルニチンが脂肪と結びつきエネルギーに変わることで脂肪が体内で消費されるため、L‐カルニチンが多く含まれている赤身肉はダイエットにはピッタリの食材なのです。
栄養素③ヘム鉄
ヘム鉄は貧血予防に効果的な栄養素です。
鉄分が不足気味になると貧血を起こしやすいというのはよく聞く話ですよね。
ヘム鉄は鉄分の中でも吸収率が高く、ほうれんそうなどの植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」と比べると最大で17倍も効率的に摂取することができます。
ヘム鉄を多く含む赤身肉は、体に不足がちな鉄分をしっかりと補給してくれる、まさに救世主のような食材です。
熟成が赤身肉本来の味を引き出す
熟成肉は赤身肉本来の旨味が凝縮され、柔らかい肉質になります。
熟成肉の美味しさの秘密に迫っていきましょう。
熟成のメカニズム
生肉を長期保存することで微生物が繁殖し、タンパク質が分解され、旨み成分であるアミノ酸を増やす行為が「熟成」です。
「肉は腐りかけがうまい」と言われたりしますが、「腐敗」と「熟成」は違います。ただ放っておくだけでは「熟成」にはなりません。
適切な温度管理と計算された熟成期間によって、微生物の繁殖がコントロールされ、美味しい「熟成肉」になるのです。
熟成方法
熟成方法は主に「ドライエイジング」と「ウェットエイジング」です。
それぞれどのような特徴があるのでしょうか。
ドライエイジング
ドライエイジングとは、空気を循環させながら一定の温度・湿度を常に保ち、お肉を熟成させる方法。
適切な環境でお肉を寝かせることにより、「お肉の自由水」と言われる余分な水分が抜けしっとりと柔らかな食感になります。
ドライエイジングすると、お肉の水分が飛ぶため全体の約30パーセントの質量が減ってしまいます。
うまみが凝縮されておいしくなるものの、コストが悪くなってしまうのがデメリットです。
ウェットエイジング
ウェットエイジングは、真空パックしたお肉を一定の温度で保存する方法です。
もともと、お肉を輸送する際に劣化を防ぐための保存方法でした。
お肉の水分がほとんど飛ばないため、歩留まりが良いのがウェットエイジングの最大のメリットです。
熟成肉は家で作れる?
熟成肉作りを家でチャレンジしてみたい方も多いのではないでしょうか。 家で熟成肉をつくることの危険性や安全な方法を見ていきましょう。
手作り熟成肉は危険?
専門知識を要する「熟成」は、一歩間違えると「腐敗」につながるため、家で手作りすることは大変危険です。
特に、「ドライエイジング」は専用機材を必要とする、プロ向けの本格的熟成法です。
大前提として、大きな骨付き肉を保管する熟成部屋が必要なうえに、風を当て続けながら何日も室温を一定に保たなければなりません。
一般的な規模の家では、作成は困難といえるでしょう。
ウェットエイジングはドライエイジングに比べれば手軽で、味をつけて清潔に真空パックすれば、冷蔵庫のチルド室がウェットエイジングに近い環境なので家でできないこともありません。
しかし、頻繁に開け閉めする冷蔵庫は温度が安定しないため熟成に最適な環境とはいえません。
「腐敗」と「熟成」の違いはプロでないとなかなか見分けられないうえ、失敗すれば重大な健康被害につながるので家での熟成肉作りはおすすめしません。
熟成肉はどこで買える?
熟成肉は通販サイトで購入できます。
熟成肉は手間がかかっているため、お値段はそれなりにしますが、やはり安全に食すためには専門ショップで購入するのが一番です。
まとめ
熟成肉には赤身肉が使われており、ダイエットに効果的なことに加え、美肌効果をはじめとするメリットがたくさんあります。
熟成肉の特有の旨さ・柔らかさには科学的根拠があり、しっかりと管理された熟成環境によって生み出されることが分かりました。
熟成肉がダイエットに向いているのは、
- 高たんぱく
- L-カルニチン
- ヘム鉄
などのダイエットに効果的な栄養素が豊富に含まれているからでした。
近年、熟成肉・赤身肉ブームで、新しいお店も続々と増えています。
熟成肉を食べる機会があれば、ダイエット中であっても罪悪感を感じる必要はありません。 熟成肉の濃厚な肉の旨みを楽しんでくださいね!