サーロインはロースの一部|部位や特徴、焼き方など徹底解説
サーロインと言えばステーキに使われる「ちょっとお高い牛肉」というイメージがある方も多いのではないのでしょうか。
サーロインが牛のどこの部位なのか分かりにくいし、どんな特徴があってステーキに使われているのかイマイチ分からないですよね。
今回は、サーロインはどこの部位なのか、どんな特徴があるのか、どう焼けば美味しく食べられるのかを解説します!
サーロインって牛のどこ?
「sur」=「の上」、「longe」=「腰肉」、直訳すると「腰肉の上」という意味です。
それが英語圏に入り、訛って「sirloin(サーロイン)」となったという説。
サーロインってどんな特徴があるの?
サーロインは、運動量が少ないため肉質が柔らかいのが特徴的。
高級肉のひとつとして多くの人に知られています。
背骨周りのお肉のうま味と濃厚な甘みのある脂がジューシーで、とろけるような食感を味わうことができます。
赤身と脂身のバランスが絶妙で、お肉好きにも人気の高い部位。
ポテンシャルの高さから「お肉の王様」と呼ばれています。
牛1頭から取れる食肉部分は、牛の体重の約4割。
700kgの牛だと約280kg。その中からさらに精肉部分や内臓部分など細かい部位に分類され、最終的に1頭から取れるサーロインの重量は約10kg。
700kgほどある1頭の牛から、約10kgしか取れないのです!
同じロース肉の肩ロースは約18kg、バラ肉(カルビ)は60kgとることができるので、サーロインが高価なのも納得できますね。
おいしいサーロインの見分け方

赤身の色をチェック
まずは赤身の色を確認しましょう。
スーパーでもたまに見かける、一部が黒くなってるお肉は気にしなくて大丈夫です。
切りたてのお肉は赤黒く、空気に触れることによって発色し赤身を帯びてくるからです。
新鮮なままパックされたお肉は空気に触れていないため、赤黒いままになっていることもあるのです。
ドリップが出ていないかチェック
トレーに溜まっている、血のように見える赤い液体の正体が「ドリップ」です。
ドリップは血ではなく、お肉の「うまみ成分」が流れ出てしまったもの。
ドリップが出ているお肉のうま味が落ちて、調理したときにパサついた食感になってしまいます。
トレーを傾けると簡単に確認できるので、ぜひチェックしてみて下さい。
サシの入り方をチェック
サシは赤身の間に入っている脂のことで、和牛で「霜降り」と呼ばれているところ。
和牛に馴染みのある日本人は、霜降りと聞いた方がピンとくるかもしれません。
きめの細かいサシが入っているほど肉質は柔らかく、溶けるような食感になります。
脂の量は人によって好みが違うので、サシが多く入っていればいいお肉とは一概に言えませんが、柔らかなお肉だということは覚えておきましょう。
サーロインを最大限に楽しむ焼き方
ステーキスタイルでお肉を楽しむために重要になるのが焼き方。
4つのポイントさえしっかり抑えておけばご家庭でおいしいステーキを楽しむことができます。
一見難しそうに思えても、コツさえ掴んでしまえばおいしいステーキを焼くことができるのでぜひ参考にしてみて下さい。
お肉を常温に戻す
お肉を常温に戻すことはステーキをおいしく焼くための絶対条件。 冷たいまま焼いてしまうと、表面だけが焼けてしまい中まで火が通らず焼きムラができやすくなってしまいます。 忘れず常温に戻してくださいね。
塩コショウは焼く直前に
塩を振ってお肉を放置すると、お肉の水分が出てしまいます。
水分と共にうま味も流れ出てしまうので、パサついた食感の原因になるんです。 塩コショウは焼く直前に、と覚えておきましょう。
フライパンはしっかりと熱しておく
お肉の表面に強火で焼き目をつけることで、うま味を閉じ込めます。
冷たいままのフライパンで焼くと、お肉の肉汁(うま味)が外へと流れ出てしまうんです。
きつね色に焦げ目がつくまで、しっかり両面を焼きましょう。
お肉を休ませる
お肉の両面をしっかり焼いたら、フライパンから取り出し休ませましょう。
アルミホイルで包み、うま味を中に閉じ込めるイメージで余熱で火を通していきます。
この4つのポイントさえ守れば、オーブンなどの特別な調理器具を使うことなく、自宅で簡単においしいステーキを焼くことができます。
お肉本来の味を楽しみたいのであれば塩コショウで食べるのがおすすめですが、ソースをアレンジするのもあり。
ワサビを添えてピリッとくる辛さでアクセントをつけたり、バルサミコ酢やワインを使ったソースでイタリアン風にしたり、がっつり食べたいときはニンニク醬油にしたり、バリエーションも豊富に楽しむことができます。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
サーロインが活躍する激うまレシピ
サーロインは、ステーキ以外でも楽しむことができるお肉です。
自宅でも作れる、おすすめのレシピを紹介します。
特別な日に!サーロインのすき焼き
サーロインはすき焼きにも合うお肉です。
口の中に入れると、上質な脂の甘みが口の中に広がり、まさにとろけるような食感に。
レシピ(2人前)
引用:あかまる
具材
薄切りサーロイン 200~400g
白ネギ 1本
焼き豆腐 1丁
しらたき 1袋
春菊 1束
牛脂 1片
卵 2個
<割り下>
醤油 100cc
みりん 100cc
酒 100cc
砂糖 大さじ3
水 50cc
作り方
- 鍋に割り下の材料を全て入れ、煮立てる。
- すき焼き鍋に、牛脂を入れ白ネギを焼く。
- 白ネギに焼き色がついたら、すき焼き鍋に割り下とお肉以外の具材を入れ煮込む。
- 全体に色づいてきたらお肉を入れる。
- お肉に火が通ったら出来上がり。卵をつけて召し上がれ。
お好みの野菜を追加すると、切って煮込むだけなので簡単なのに特別感のある一品に。
煮込むことで余分な脂も落ちてさっぱりするので、ステーキが苦手な方にもおすすめです。
中までジューシー!ローストビーフ
サーロインを使うことによっていつもとは一味違う、中までジューシーな仕上がりになります。
レシピ(2人前)
具材
サーロイン塊肉 400g
塩 適量
コショウ 適量
油 大さじ1
作り方
- お肉を常温に戻す。
- 常温に戻ったら、お肉の表面に塩コショウを多めにすり込んで馴染ませる。
- よく熱したフライパンに油を敷き、お肉全ての面をカリっとなるまで焼く。
- 全ての面が焼けたらアルミホイルに包み30分放置する。
- 薄くスライスして出来上がり。 お好みのソースをかけてお召し上がりください。
一見難しそうですが、フライパンひとつで手軽に作ることができます。
ポイントはステーキと同じく、お肉を常温に戻しておくこと。
できたてもおいしいですが、一晩冷蔵庫で寝かせても絶品!
そのまま食べてもよし、少しアレンジしてサラダやサンドイッチにするのもいいですよ。
まとめ
「お肉の王様」と呼ばれているサーロインは、ほどよい柔らかさの赤身の旨味と脂のバランスがたまらない、ちょっぴり贅沢なお肉でした。
サーロインステーキを美味しく焼くためのポイントは、
- お肉を常温に戻す
- 塩コショウは焼く直前に
- フライパンはしっかり熱しておく
- お肉を休ませる
の4つでした。
ステーキはもちろん、いろいろな料理に合うのでバリエーション豊富にサーロインを楽しむことができます。
自宅でも気軽に楽しむことができるので、特別な日の1品にいかがですか?