美味しいステーキ肉の選び方。部位選びの極意と焼き方を解説
肉本来の旨みを味わうなら、分厚く切った肉を豪快に焼くステーキが1番ですよね。
焼くだけで簡単に作れるのに、日常の晩ごはんとしてはもちろん、赤ワインやビールなどお酒にも合うみんなに愛される料理です。
今回は、
・ステーキを最大限美味しく味わうために選ぶべき部位
・美味しいステーキ肉の見分け方
・ステーキ肉を美味しくする焼き方
について解説します。
ステーキにおすすめの部位ランキングTOP5
一概にステーキといっても、さまざまな部位が使われています。
最近では赤身肉が人気急上昇中ですが、部位によって赤身や脂の量・サシ(霜降り)の入り方・食感・風味が違います。
ステーキにぴったりの部位の中から、好みの部位を見つけてください。
ヒレ
ヒレは赤身肉にもかかわらず、柔らかな肉質で脂肪がほとんどないのが特徴です。
牛がほとんど運動をしない部位なので非常に柔らかく、肉質もきめ細やか。牛のランクに関係なく安定した肉質でクセもないため、幅広い世代に人気の部位です。
一頭の牛から3%しか取れないヒレは、希少部位のため価格は高くなります。ヒレの中心部分の「シャトーブリアン」は、さらに上質。牛の数多くある部位の中でも、最上級と言われています。
ヒレは赤身で柔らかいだけではなく、低カロリーで高たんぱくで栄養価が高いため、ダイエットやトレーニングをしている人にもおすすめの部位です。
サーロイン
ステーキの代名詞とも言っても過言ではないサーロイン。
きめの細かいサシが入っており、赤身とのバランスが良いのが特徴。「お肉の王様」と言われるサーロインは、ステーキでも人気の高い部位です。
サーロインはロースの一部で、牛の背骨から腰のあたりのお肉です。濃厚な脂の甘みと柔らかい食感を楽しめます。赤身と脂身どちらも味わいたい方にはぴったりの部位。
余談ですが、サーロインを食べた英国の王様があまりのおいしさにサー(ナイトの称号)を与えたという逸話もあります。
ランプ
牛の腰からお尻にかけての部位で、脂身も少なく赤身肉で柔らかいのが特徴。ヒレと比べると、安価で手に入りやすいのも嬉しいポイントです。
うっすらサシが入ったきめの細かい肉質で、クセもほとんどありません。濃厚なお肉本来の味を楽しめて、年齢を問わず人気の部位です。
サーロインやリブロースと比べるとサシが少ないため、こってりとした脂が苦手な方にもおすすめです。
肩ロース
肩ロースは適度な脂が乗っていて程よい噛みごたえの赤身肉で、濃厚なお肉の味をしっかり味わえるのが特徴的です。
肩から背中にかけての牛の中で最も大きな部位で、他の部位と比べると価格もリーズナブル。幅広く流通しており、スーパーで手軽に購入できます。
噛めば噛むほどお肉の濃い味わいを楽しめるので、がっつりワイルドにステーキを楽しみたい方におすすめです。
リブロース
リブロースはきめの細かい肉質で甘みのある脂身が乗っていて、とろけるような食感が特徴。
肩ロースとサーロインの間の部位で、サーロインにも負けない肉質です。口の中にジュワっと広がるお肉の甘みを楽しめます。ロースのなかで最も厚みがあり、ステーキに最適の部位です。食べごたえがあり、見た目の豪華さは目を引くものがあります。
骨付きのリブロースは「トマホーク」と呼ばれていて、名前のインパクトに負けず見た目も迫力満点。骨周りのお肉は絶品で、1度食べたらやみつきになります。
番外編~Tボーン~
見かけたら、ぜひ一度味わっていただきたいのが「Tボーン」。
名前の通りT字の骨付き肉で、片側は王様と呼ばれているサーロイン。もう片方は女王様と呼ばれているヒレが付いた、一度で二度おいしい贅沢なステーキです。
骨付きのまま焼くことでお肉の水分が抜けにくく、骨の旨みがお肉全体に伝わるのでよりジューシーで柔らかくなります。
美味しいステーキ肉の見分け方
部位が決まったら、次に重要なのが美味しいステーキ肉の見分け方。
自宅でせっかくステーキを焼くなら、おいしいお肉を目利きできるようになりたいですよね。
おいしいステーキ肉を選ぶ際のポイントをいくつかご紹介します。
ドリップがでていないか
スーパーのトレーに赤い血のような液体が溜まっているのを見たことがありますよね。お店で牛肉を買うときに見るべきポイントは、お肉から「ドリップ(赤い液体)」が出ていないかどうか。
血だと思っている方もいるかもしれませんが、赤い液体はドリップと呼ばれるお肉の旨味成分が凝縮した肉汁の元。つまりトレーにドリップが溜まっている牛肉は、旨味成分がお肉の外に流れ出てしまっているのです。
ステーキは牛肉の旨味が大事な要素となるので、お肉を購入する際はドリップが出ていないものを選びましょう。
お肉の色はくすんでないか
美味しい牛肉なのかを手っ取り早く知るためには、お肉の色を観察しましょう。
褐色に近いくすんだ色のお肉は、牛肉が酸化して劣化しつつある証拠なので注意してください。ただし、牛肉同士が重なって黒ずんでいる場合は、切り分けたあとで酸素に触れることによって鮮やかな赤色に変化するため問題ありません。
重なっていて空気に触れてなく黒ずんでいる場合は、酸化が進んでいないということなので、むしろ新鮮な良い牛肉の証拠なんです。
厚みは1.5㎝以上のものを選ぼう
しっかりとした食べごたえのステーキには1.5㎝以上のお肉が理想です。
分厚いステーキ肉でも、ポイントさえ押さえれば自宅で焼けます。ステーキは素材がシンプルな料理のため、厚みにはこだわりたいところです。
ステーキの焼き加減の種類
ステーキを注文する際に焼き加減を聞かれることがありますよね。
レアやミディアムなどと聞いたことはあるけれど、実際どれくらいの焼き加減かしっかり説明できない人も多いのではないでしょうか。ステーキはシンプルな料理なので、焼き加減が重要なポイントになってきます。焼き加減ひとつで同じお肉でも違った味わいになるんです。
ステーキの焼き加減は、細かく分けると10段階あります。その中でも知っておいて損はないスタンダードなステーキの焼き加減を4種類ご紹介します。
レア
お肉の表面はしっかり焼けていますが中心部分は赤い状態で、内部温度は55〜65℃です。
生焼けのようにも見えますが、食中毒の原因となる菌が死滅する程度まで中心温度はあがっているので火が通っています。
お肉の弾力があり、肉汁が多いのが特徴です。焼き方を失敗すると生焼けになってしまうため、レアに仕上げるには技術が必要です。
ミディアムレア
ミディアムとレアの中間の焼き加減で、内部温度は65℃程度。
表面はしっかりと焼けていますが、中心部分はレアよりも赤くなくミディアムより肉汁が多く残っている状態です。ステーキ好きの方に、人気の高い焼き加減です。
ミディアム
ミディアムは中心部分は薄いピンク色で、内部温度は65〜70℃です。
バランスの良い手頃な焼き加減で、肉汁も損なうことなくおいしく食べられます。生焼けの心配もなく、スタンダードな焼き加減なのでレアが苦手な方にもおすすめです。
ウェルダン
肉の中心部分までしっかりと火を通して内部温度が70〜80℃になるので、お肉の赤味はほとんどなくなります。
お肉の水分が飛ぶことにより、肉汁も少な目で肉質も硬くなります。お弁当など、常温で置いておく場合は安全上ウェルダンで焼かれることが多いです。
一般的な焼き加減、4種類をご紹介しました。その他にもほとんど生の状態の「ブルー」や、ウェルダンよりもさらに火を通す「ベリーウェルダン」などがあります。
お肉の部位によって、おすすめの焼き加減はあるものの、好みは人それぞれ。焼き加減ひとつで食感や風味が変わるので、お好みの焼き加減を見つけてみてください。
ステーキ肉を美味しくする焼き方
おいしいお肉を選んだら、あとは焼くだけ。しかし焼き方を失敗してしまうと、せっかく選んだおいしいお肉が台無しになってしまいます。
ポイントさえしっかり押さえれば、プロ顔負けのお肉を自宅で焼くことができますよ。
ポイント1.お肉は常温に戻しておこう
冷蔵庫から出してすぐ焼くのはNG。ステーキをおいしく焼く絶対条件です。
お肉全体を同じ温度にすることで、焼きムラのないステーキに仕上げられます。
季節やお肉の厚みにもよりますが、最低でも焼く30分前には冷蔵庫から取り出し常温に戻しておきましょう。
ポイント2.塩は焼く直前にしよう
ステーキを焼く際は、お肉の水分(うまみ)を逃さないことを心がけましょう。
早い段階で塩を振ると、塩の浸透圧でお肉のなかの水分と一緒にうまみ成分も抜けてしまうので、パサついた食感になってしまいます。「塩は焼く直前に」と覚えておきましょう。
ポイント3.焼いたお肉は休ませよう
焼いたお肉をすぐ切ると、破裂したように一気に肉汁が溢れ出してしまいます。
こんがりお肉の全面を焼いたらいったん火からおろし、肉汁を中に閉じ込めるイメージでアルミホイルに包んで休ませます。
余熱でじわじわとゆっくり火が通るので、焼きすぎないように注意してください。お肉を休ませることでうまみが閉じ込められ、しっとりとした食感のステーキに仕上がります。
まとめ
ステーキ肉にオススメの部位は、
・ヒレ
・サーロイン
・ランプ
・肩ロース
・リブロース
でした。
部位や焼き加減、焼き方によって、同じお肉でもまったく違った仕上がりになります。
好きな部位を選んで、焼き加減に特にこだわりがなければ、ミディアムから挑戦してみるのがおすすめです。
いろいろな部位を食べ比べながら自分の好みの部位や焼き加減を見つけて、ご自宅でも素敵なお肉ライフを楽しんでください!