赤身肉の調理法に困ったら?柔らかく調理するポイントとおすすめのレシピ
「低カロリー・低脂質・高たんぱく」といったヘルシーさが魅力の赤身肉。
低糖質・高たんぱくなので糖質制限をしている方にもおすすめです。
たくさんの魅力がある赤身肉ですが、「お肉が硬いな⋯」と感じたことのある方も多いのではないでしょうか?赤身肉は脂身が少ないため、焼きすぎてしまうとお肉が固くなってしまうのです。
今回の記事では、
・赤身肉が固くなる原因と柔かくする方法ついて
・赤身肉の部位別おすすめレシピ
を紹介していきます。
記事を読んで、美味しくヘルシーな赤身肉をお楽しみください。
なぜ、赤身肉が固くなってしまうのか
赤身肉を焼くと固くなってしまう原因は大きく分けて2つあります。
肉の繊繊が縮んでしまう
赤身肉は筋肉の繊維が束状になった構造をしています。
「赤身の部分 = 筋肉の繊維」であるため、脂身の多いお肉と異なり、普通に加熱するとたんぱく質の変性によってお肉が縮み硬くなってしまうのです。
肉の水分がなくなる
焼いているうちにお肉の内部に含まれている水分が熱によって蒸発するため、硬くてパサパサとした食感になってしまいます。
水分を逃さない焼き方の工夫をすることで、ジューシーで柔らかいお肉にできますよ。
硬い赤身肉も柔らかく。調理する前のポイント
赤身肉を柔かくするおすすめの方法と仕組みを紹介していきます。お好みの方法を試してみてください。
玉ねぎのすりおろしにつける
玉ねぎをおろし機ですりおろし、ジップロックかタッパーに入れてお肉をつけておくだけ。とても簡単な方法です。
玉ねぎに含まれている酵素「プロテアーゼ」が、鎖状になっているたんぱく質の構造をバラバラにしてくれるので、たんぱく質の分子構造が崩れて肉が柔らかくなります。
すり落した玉ねぎをドレッシングにアレンジできるため、一度で二度美味しく料理を楽しめますよ。
玉ねぎが苦手な方は、
・しょうがをおろしたもの
・パイナップル
・大根おろし
でも代用可能です。ぜひお試しください。
焼く前にはちみつを塗る
焼く30分程度前にお肉の表面にはちみつを塗ると、はちみつを構成するブドウ糖や果糖がたんぱく質のあいだに入り込み、肉を硬くならないようにする現象(メイラード反応)が起こり、肉が柔らかくなります。
表面のつや出しにも使えるので、見た目をよくしたい際にもおすすめです。
肉を叩く
料理前に肉をめん棒や専用の道具で叩いておく方法です。
フォークで刺して穴を開けておく方法でも同様な効果が見込めます。
肉を叩くことでたんぱく質の繊維が壊されて柔かくなります。最も手軽な方法なので挑戦しやすい点がメリットです。叩きすぎや力加減にはご注意ください。
コーラにひたしておく
コーラをジップロックやタッパーに入れて肉を30分程度漬けておきます。
お肉をコーラに漬けるとその分カロリーが上がるため、気になる方は、ヨーグルトやレモン汁でも代用可能です。料理の下味にもなるため、お好みのものを選んでください。
液体の酸性度(pH)の数値によって、液体が酸性なのかアルカリ性なのかが決められています。コーラ(pH2)のようにpHの低い液体に漬けておくと、お肉も酸性になります。
お肉が酸性になると、以下の現象が発生します。
・水分が外へ逃げづらくなる
・筋肉内にある酸性下でプロテアーゼが働くようになり、たんぱく質が分解されて柔らかくなる
・お肉のスジにあるたんぱく質「コラーゲン」がゼラチン化する
ゼラチン化は、お肉の筋の部分の繋がりが弱くなり、ゼリーのように柔らかくなる現象を指します。はちみつと同じようにブドウ糖が含まれているため、浸透性によって柔らかくなる効果も期待できます。
肉の表面を浅く切っておく
最も手軽な方法としておすすめなのが、お肉の表面に切れ込みを入れておく方法です。
包丁で数cm、浅めにスジを入れれば完成です。
たんぱく質の繊維を破壊しておくことで、変性した際の縮みを最小限に抑えられます。タレが染み込みやすくなるメリットもあります。
【部位別】おすすめのアレンジレシピ
入手しやすく、赤身の割合が多い部位の特徴とおすすめレシピをご紹介していきます。
焼く以外に調理法が思いつかずに悩んでいる方は参考にしてみてください。
モモ
牛の股の内側から取れる部位で、赤身が多く淡白な味わいが特徴的。赤みの部分がトップレベルに多いため、脂身が苦手な方にはピッタリの部位です。
煮込み料理
モモ肉は煮こめば煮込むほど柔らかくなり美味しさも増していきます。カレーやシチュー・ビーフストロガノフといった煮込み料理がおすすめです。
大量に作れる上に日持ちもするので、忙しい方や家族がいる方におすすめです。
ローストビーフ
ローストビーフは、お肉の表面を焼いたのち低温でじっくりと火を通す料理です。ヘルシーなことに加えて、最近だと、炊飯器や圧力鍋で手軽に作れる優れもの。
ローストビーフ丼やサンドイッチ・サラダのトッピングなどにも使えます。
ヒレ
ヒレ肉は一匹の牛から取れる量がとても少ない希少部位の一つ。赤身が多いにも関わらず、とても柔らかく人気の高い部位です。
ステーキ
ヒレ肉を最も美味しく味わえる方法は、そのまま焼いて食べることです。
お肉自体の美味しさが特に強い部位のため、柔かくする方法を「叩く・フォークで穴をあける」などにしてシンプルに味わうのがおすすめです。
ヒレカツ
衣をつけてフライにするのもおすすめ。
牛肉は火を通す時間が短くて済むため、ヒレ肉の魅力である柔かい赤身肉そのものを楽しめます。
サーロイン
サーロインは牛や豚の腰の上にあたる部分のお肉。
他の部位に比べると脂身も多く、赤身と白身のバランスが取れている部位です。ヒレは値段も高いし、モモは赤身ばっかりで少し退屈という方におすすめ
すき焼き
適度に脂が乗っているため、薄切りのサーロイン牛はすきやきに非常にマッチします。
霜降り肉ほどはくどくないので、あっさりとすき焼きを楽しむことができますよ。
しゃぶしゃぶ
薄切りのサーロインはしゃぶしゃぶにもおすすめです。
赤身の味がしっかりしているため、肉の旨味を存分に楽しめます。
部位に合う食べ方で、赤身肉をより堪能してくださいね。
まとめ
赤身肉の特徴を活かして美味しく食べる方法や、部位別のおすすめの食べ方を紹介しました。
赤身肉を柔らかくする方法は、
・玉ねぎのすりおろしにつける
・はちみつを焼く前に塗る
・肉を叩く
・コーラにひたしておく
・肉の表面を浅く切っておく
でした。
硬いと思われがちな赤身肉ですが、ちょっとした工夫をするだけでとっても美味しくなります。
お肉の構造に基づいた科学的な根拠がある方法なので、ぜひ試してみてください。