すき焼き肉の選び方|柔らかい肉の部位とより美味しく食べる方法
味が染み込んだお肉と卵を絡めて食べるすき焼きは、味が濃くて肉の旨みも楽しめる人気の料理のひとつです。
贅沢さを楽しめるすき焼きですが、意外とメインのお肉の部位までこだわっている人は少ないのではないでしょうか?
最適なお肉の部位を使うことで、すき焼きはもっと美味しくなるんです!
今回は、
- すき焼きでおすすめのお肉の部位とその理由
- 美味しいお肉の見分け方
- 美味しく食べるレシピ
を解説します。
すき焼きにおすすめの部位5選
特別感があり食卓を豪華に彩ってくれる「すき焼き」。
どこの部位を選ぶかによって、すき焼きの味が大きく変わるといっても過言ではありません。
といっても、ヘルシーな赤身が好きな人もいれば、とろける食感の脂身が好きな人、すき焼きに関わらず、お肉の好みは人によってそれぞれです。
細かく分類すると数十種類もある牛肉の部位のなかで、赤身・脂身のどちらが好きな人にでもおすすめできるお肉の部位とそれぞれの特徴を紹介します!
肩ロース
きめ細かな肉質にほどよい脂が乗っていて濃厚な味わいを楽しめる肩ロース。
牛の肩から背中にかけての部位のお肉で、ロース肉の中でも脂肪分が多くてサシ(霜降り)が多いのが特徴です。
赤身と脂身のバランスが良く薄切り肉に向いているので、すき焼きにもぴったり。
お肉本来のコクと濃い味わいを楽しむことができます。
モモ
赤身肉で脂が少ないのが特徴のモモは、脂身が苦手な方やさっぱり食べたい方におすすめの部位です。
牛の後ろ足の付け根部分に位置する運動量の多い部分なので、しっかりとした噛み応えがあります。
ヘルシーで人気もある赤身肉ですが、煮込みすぎると硬くなってしまうので、調理の際は注意が必要です。
バラ
バラ肉は牛の肋骨付近のお肉で、焼肉でよく言う「カルビ」と同じ部位。
とろっと溶ける脂とお肉の旨みがいい出汁になるので、濃い味わいを楽しめます。
他の部位のお肉と比べると、きめは細かくなく粗めですが、価格が安いのでコストを抑えられるのが魅力的。
バラ肉を選ぶときは、他のお肉とうまく組み合わせて食べるのがおすすめです。
サーロイン
きめが細かく柔らかでとろけるような上品な味わいを楽しむことができるサーロインは、背中から腰にかけての部位です。
ステーキのイメージが強いサーロインですが、すき焼きにもよく合います。
「肉の王様」と称されるだけあって、そのポテンシャルは高め。
甘みのある脂が口の中でとろけます。価格も高めですが特別な日にはぴったりの部位です。
リブロース
赤身と脂身のバランスが良くとろける食感のリブロース。
肩ロースとサーロインの間の部位で、王様サーロインにも負けず劣らずのクオリティです。
肉質もきめ細かく煮込んでも硬くなりにくいので、すき焼きにはぴったりの部位です。
部位によって個性があるので、それぞれ違った楽しみ方ができます。
お肉を煮込むことによっていい出汁が出るので、使う部位によって変わる風味をいろいろ試してみたくなります。
1種類のお肉ではなく、何種類かのお肉を用意して食べ比べてみるのもいいですね。
美味しいお肉の見分け方
同じ部位のお肉でも、国産なのか外国産なのか、国産牛でもどのような環境で育ったのかなど牛によって個性はバラバラ。
せっかくなら、おいしい新鮮なお肉をチョイスしたいですよね。
おいしいお肉を見分けるにも、いくつかのポイントがあります。
スーパーでお肉を選ぶ時、どんなところに気を付けて買えばいいのか紹介します。
ドリップが出ていないものを選ぶ
ドリップはお肉から出る赤い汁のことで、血と思われがちですがお肉から出ているうまみ成分を含んだ水分です。
スーパーで売られているお肉は、パックの底にドリップを吸うシートが敷いてあることが多いので、シートが赤く染まっていないかチェックしてみて下さい。
お肉の色
美味しい牛肉なのかを手っ取り早く知るためには、お肉の色を観察しましょう。
褐色に近いようなくすんだ色のお肉は、牛肉が酸化して劣化しつつある証拠なので注意するようにしましょう。
ただし、牛肉同士が重なって黒ずんでいる場合は、切り分けた後で酸素に触れることによって鮮やかな赤色に変化するため問題ありません。
重なっていて空気に触れてなく黒ずんでいる場合は、酸化が進んでいないということなので、むしろ新鮮な良い牛肉の証拠なんです。
すき焼きをもっと美味しく食べるポイント
おいしいお肉を手に入れたらあとは調理するだけ。
せっかくなら、とことんこだわっておいしく作りたいですよね。
すき焼きを自宅で存分に味わえるレシピを紹介します。
割り下(4人前)
材料
- 日本酒(料理酒) 100cc
- みりん 100cc
- 醤油 100cc
- ザラメ(砂糖) 30g
作り方
- 日本酒とみりんを鍋に入れ、強火でアルコールを飛ばす。
- アルコール臭がなくなり煮立ったらいったん火を止め、醤油・ザラメを入れて中火にかける。
- よくかき混ぜ、ザラメが溶けたら完成。
ポイント
お酒は料理酒でもおいしく作れますが、塩味があるので入れすぎに注意です。
煮詰まって、味が濃くなってしまった場合は日本酒かお水を入れましょう。
ザラメがなければ砂糖でも代用できますが、ザラメを使用した方がコクが出て味に深みが出ます。
割り下が少なく感じても、後から入れる野菜などの食材から水分が出るので安心してください。
材料(4人前)
お好みの牛肉 400g
春菊 1袋
長ネギ 2本
結びしらたき 1袋
えのき 1袋
しいたけ 1パック
焼き豆腐(豆腐) 1丁
牛脂 1個
卵 人数分
作り方
- お肉を調理する20分ほど前に冷蔵庫から取り出し、常温に戻しておく。食材を食べやすい大きさに切る。しらたきは下茹でしておく。
- 鍋に牛脂を入れ、牛脂が溶けてきたらお肉を焼く。
- お肉に焼き色がついたら長ネギを入れて焼き目をつける。
- 割り下と食材(卵以外)を入れ煮込む。
- 野菜に火が通り、お好みの煮え具合になったら溶き卵をつけて食べる。
ポイント
牛肉は完全に火を通さず、ピンク色が残っている状態で他の材料と煮込むこと。
完全に火が入った状態で煮込むとお肉が硬くなってしまうので注意が必要です。
しらたきは下茹でをすることで、しらたき独特の臭みが消え味も染み込みやすくなるので、下茹でを忘れずに。
焼き豆腐は豆腐でも代用できますが、味が染み込みやすく崩れにくいので焼き豆腐の方がおすすめです。
その他お好みの野菜を入れても、もちろんOK!
水分量の多い野菜を入れる場合は、割り下の濃さを調整してください。
ちなみに、関東と関西では、同じすき焼きでも全く違う作り方になります。
関西のすき焼きは、割り下を入れずに、お肉を焼いた後、調味料(醤油・砂糖)を直に入れていきます。
お好みの濃さに調整できるので、家庭の味が色濃く出るのが特徴的。焦げやすいので注意が必要です。
また、ほとんどの家庭で、具材として白菜を入れます。
基本的に濃い味付けなので、水分量の多い白菜を入れる事によりバランスの取れた味になります。
すき焼きにも歴史があり、関東地方では関東大震災前は牛肉を焼かずに、割り下に直接お肉と野菜を入れて煮込んで作るのが主流でした。
震災後、軒並み閉店になってしまったお店が、関西流すき焼きを関東風にアレンジして今のレシピになったようです。
今回ご紹介したレシピは、関東の老舗でも現在主流の「関東風すき焼き」です。
まさに元祖・関東風すき焼き、関西すき焼きのいいとこ取りのレシピです。
お肉を焼かずに割り下へ直接お肉を入れればお肉の脂が溶けだし、まろやかな味わいに。
お肉を焼いてから割り下を入れれば、お肉の香ばしさが引き立ちしっかりとした味わいに。
その日の気分やお好みでアレンジすることができます。
まとめ
選ぶ部位によって、おいしさが左右されるといっても過言ではないすき焼き。
- 赤身が好きならモモ
- 脂身が好きならロース系
- コスパ重視ならバラ
苦手でなければ、調理した際にも硬くなりにくい、ほどよく脂の乗っている部位がおすすめです。
部位の特徴やおいしいお肉の選び方、作り方に詳しくなると、より一層、食事が楽しみになりますね。