肉のプロが教えるすき焼きレシピ|おすすめの具材や割り下

お正月や特別な日にはすき焼きを食べるというご家庭も、少なくないのではないでしょうか。
ただ具材も割下も変わり映えがなく、たまには少し違うすき焼きを食べてみたいと考えている方も多いと思います。

今回は、すき焼きにおすすめのお肉の部位や具材、〆のアレンジレシピなどをご紹介します。
すき焼きにひと工夫加えたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

すき焼きにぴったりのお肉

すき焼きに向いている牛肉の部位についてご紹介します。
予算やどんな味わいを楽しみたいかに合わせて、使用する部位も選んでみてください。

安くたっぷり食べれるバラ肉

バラ肉は、部位別に価格帯をみた時に最も手頃な値段で手に入る部位の肉。
予算を抑えてすき焼きをしたいという人には、バラ肉がおすすめです。

バラ肉とは肋骨の周囲の肉を指し、赤身と脂肪が層になっているため三枚肉ともいわれています。

濃厚な風味が特徴的で焼肉や牛丼のほか、すき焼きなどの煮込み料理にも向いています。
煮込みすぎると肉が硬くなって美味しさが半減してしまうので、火の通り具合には注意してください。

ヘルシーな赤身肉を楽しめるモモ肉

モモ肉はその名の通り、牛のももに当たるお肉です。
脂身が少なく、ヘルシーな赤身肉という特徴があります。
しかし脂肪分が少ない分、煮込みすぎると硬くなってしまいます。
柔らかいお肉が好きな方は、煮込む時間を短くすると美味しく食べられますよ。

とろけるきめの細かさが楽しめるリブロース

リブロースは牛肉の部位の中でも、特に上等と言われる部位です。
赤身と脂身のバランスが良く、コクがあって風味も楽しめます。

肉自体も柔らかく、煮込んでも硬くなりにくいため最もすき焼きに向いている部位といえます。
すき焼きならではの高級感や、牛肉の上質な旨味を味わうのならリブロースで決まりです。

プロが教えるすき焼きレシピ

ここからはいつものすき焼きにひと工夫するためのレシピをご紹介します。
すき焼きに必要な具材や割り下のレシピ、焼く時の手順、おすすめの〆など幅広く解説しますので、ぜひお役立てください。

必要な具材

すき焼きの基本的なレシピで使われる定番の具材は長ネギ・焼き豆腐・しらたき・しいたけ・春菊の5つです。

長ネギ

甘味のある長ネギは牛肉と並び、すき焼きには欠かせない具材の一つですよね。
肉の味を引き立ててくれる名脇役になってくれます。

長ネギは1~2cm幅の斜め切りにします。

くたくたになった長ネギとお肉を一緒に頬張って、異なる食感を楽しみましょう。
普段ネギの辛味が苦手というお子さんでも、じっくり煮込むことで美味しくいただけますよ。

焼き豆腐

煮崩れしにくい焼き豆腐もすき焼きの定番具材ですよね。
煮汁が甘く、くどくなりがちなすき焼きも豆腐が加わればさっぱり美味しくいただけます。
木綿豆腐を水切りして、フライパンで焼き目をつければ簡単に手作りできますよ。

縦に切ってから1.5cm幅に切り、他の具材と一緒のタイミングでお鍋に入れてください。

したらき

しらたきは特有のえぐみがあるので、鍋に入れる前に下処理をする必要があります。

まず食べやすい長さに切って、水と一緒に鍋に入れて火にかけ、一煮立ちさせましょう。
沸騰したらそのままの状態で2分ほど茹でます。ザルに取って水気をよく切ったらしらたきの下処理は完了です。

すき焼きにする場合は、お肉から遠いところに入れて煮込んでくださいね。

しいたけ

しいたけは肉厚な食感が特徴的な食材です。
旨味がよく出るだけでなく、煮汁をたっぷり吸っているため、食べ応えもあります。
じっくり煮込めば、ぷりぷりとした食感を楽しむことができますよ。

鍋に入れる前にキッチンペーパーでしいたけの汚れを拭き取っておきましょう。
茶色の表面部分に十字になるよう切り込みを入れて、飾り切りをするのも、料理が綺麗に見えるのでおすすめです。

春菊

ほろ苦い春菊は甘辛い食材ばかりのすき焼きの中で、良いアクセントになります。
独特の風味がありますが、大人になればなるほど美味しいと感じる食材ですよね。
緑色の春菊が加わることで、すき焼き全体の彩りも良くなり食欲をそそります。

春菊は葉と軸に分けて2〜3等分に切ります。
加熱しすぎると栄養がなくなってしまうので、煮込まずに食べる前にサッと火を通していただいてください。

割り下のレシピ

割り下は2〜3人分なら、
料理酒・みりん・醤油 各100cc
ざらめ    30g
というのが基本的な割合となります。

4~5人分なら
料理酒・みりん・醤油 各200cc
ざらめ    60g
でOKです。

まずお鍋に料理酒とみりんを入れて強火にかけます。
アルコールの香りを飛ばすために強火で一煮立ちさせてください。
それから一旦火を止めて醤油とざらめを入れ、さらに中火で温めたら割り下の完成です。
ざらめがきちんと溶ければいいので、火は弱めでOKです。

比率を守れば、何人分でも味のバランスを保ったまま簡単に割り下が作れます。
ざらめを使うとコクが出ますが、ない場合は白砂糖を使っても構いません。

すき焼きを作るときは、調理中にバタバタしないためにも、最初に割り下を作っておくのがポイントです。

焼く時の手順

すき焼きには関東風と関西風の2種類があります。
最初から割り下を煮立てるのが関東風、関西風のすき焼きでは牛肉を焼いてから味付けします。

関東風すきやきの作り方

まず割り下を準備します。
先ほどのレシピを参考にして、割り下を作ってみてください。お好みでだし汁を加えても美味しいですよ。
お好きな具材と割り下の用意ができたら、いよいよ材料を煮込んでいきましょう。

具材と割り下の準備ができたら、材料を煮込んでいきましょう。
準備した鍋を温めて牛脂を溶かしたら、牛肉を広げながら入れてネギも入れます。
準備した割り下を材料が浸るくらいまで入れて、他の具材も加えていきます。

煮立ったら関東風すき焼きの完成です。
お好みで溶き卵をつけて食べてください。

関西風すきやきの作り方

関西のすき焼きは割り下を使わず、最初に肉を焼き付けて砂糖や醤油などを直接加えていきます。

関西風のすき焼きは、その時の野菜の量や種類に合わせて味付けをしていくのが特徴です。
お好みの具材をたっぷり入れて、我が家流の味付けを楽しんでみてください。

まず具材を準備します。
焼き豆腐や白菜は食べやすい大きさに切り、ネギは幅1センチの斜め切りに。
えのきだけは根元を切り落として、春菊は茎の硬い部分を切り落としておきましょう。

味付けのために醤油・みりん・料理酒を混ぜ合わせておきます。
準備した鍋を温めて牛脂を溶かし、牛肉を広げて入れて火が通ってきたら裏返します。
全体の8割ほど焼けたら肉の表面が隠れるほど砂糖を投入します。

すぐに調味料を加えてからめ、取り出していただきましょう。
柔らかいうちに取り出して、肉そのものを味わうのが関西風です。

続けて牛肉を入れて、肉のそばにネギを入れて焼き付けます。
調味料を注ぎ入れて、具を並べ入れます。
その後は水気が出やすい野菜を先に入れながら、他の具材も加えていきます。

少しずつ砂糖を加えながら味を見て、好みの味加減に調節してください。
味が濃くなってしまった場合は、水を入れて薄めます。
取り分けの器に卵を溶きほぐして、具を絡めて食べるのは同じです。

肉の下に砂糖やざらめを敷いたり、上から振りかけたり、みりんは加えないなど作り方はお店や家によって様々あるようです。

〆におすすめの具材

すき焼きの〆といえば、やはり雑炊でしょう。
汁気と具が少なくなったところで残った卵を回し入れて卵とじにして、ご飯も入れれば〆の雑炊の出来上がりです。
煮詰めすぎると味が濃くなってしまうので注意してくださいね。

うどんも定番の〆料理の一つです。
残り汁にうどんを加えて柔らかくなるまで煮込み、最後に卵とじを加えていただきます。
甘辛いすき焼きのタレがうどんによく合います。

変わり種としてはすき焼きの〆でパスタを作るのもおすすめです。
茹でておいたパスタをすき焼きの残り汁に加えて、コンソメや出汁などで味を調整すれば完成です。
洋風の〆を楽しみたい時にはちょうどいいのではないでしょうか。

まとめ

すき焼きは割り下の味が大体決まっているので、いつもワンパターンになりがちですが、 具材や〆をかえるだけで、いつものすき焼きがガラリと変わります。

  • 関東風のすき焼きはお肉を煮立てる
  • 関西風のすき焼きは先にお肉を焼く

同じすき焼きでも、関東と関西でつくる順番が違うなんておもしろいですよね。
すき焼きを作る際は牛肉の部位についてもこだわってみてください。
今度のすき焼きは一工夫加えて、家族を驚かせてみてはいかがでしょうか?